インフェルノ
-あらすじ-
「地獄」。そこは“影"――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付くが――。[1]
トム・ハンクス主演, ロン・ハワード監督『ダ・ヴィンチ・コード』の続編で3作目となる『インフェルノ』ということで, 『ダ・ヴィンチ・コード』がとても好きな私は, 話を聞いた瞬間に映画館に観に行こうと決めました.
-良い点-
『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズということで宗教的要素が多く使用されていて, ワクワクしました. 特に中世のコンスタンティノープルやベネツィアが再現されていて流石過ぎる, と思ったほどでした.
更に, 今回の重要な人物としてダンテが登場します. このダンテによって描かれた地獄が映像化されますが, その場面が非常に恐ろしく禍々しく, 見ているこちらも恐怖を抱きました. その地獄を描く場面でペスト医師が出てくるのですが, そのマスクが大好きな私は興奮度MAXでした. マスク格好良いよね.
その他に, この作品には絵画も多く出てきます. そのため, こういった中世の世界観や宗教観に興味を持つには『ダ・ヴィンチ・コード』と同様にとても良い作品だと思います.
-悪い点-
展開が手に取るように分かってしまう. まあ, あらすじと謳い文句からある程度の予想はつきますし, 妥当な終わり方かな, といった感想でした.
前前作, 前作と比べ謎解きが更に薄くなっていると感じました. いくら天才とは言えなんだかなぁ…と思ってしまうほど. その代わりに物語はサクサク進むため, 好きな人はこのテンポのほうが好きなのかもしれません. 私は『ダ・ヴィンチ・コード』のようなじっくり段階的に謎解きをしていくのが好きだったため, 残念でした.
ヒロインの行動に対して, なんでそこで?と思ってしまいました. ベッドシーンを出すくらいならこちらをしっかりとして欲しかったです. 私の読み取り不足かもしれませんが…
-まとめ-
話を大きくしすぎた結果, こうなってしまったのかな, と少し残念では有りましたが, 個人的に宗教関係や中世ヨーロッパの歴史に興味があるため, 展開に不満はあるものの結果的には見て良かったと思える作品でした. 10点満点評価で8点です. 『ダ・ヴィンチ・コード』が9.5点, 『天使と悪魔』が8.5点という感想ですので, 妥当な感じです.
[1] Amazonで販売中のインフェルノ(上) (角川文庫)の商品紹介より引用